カテゴリー別アーカイブ: お土産開発について

当プロジェクトと“タイラギ貝ひもの佃煮”との出会い

タイラギ貝ひもの佃煮は瀬戸内産天然タイラギ貝の中でも「ズベ」と呼ばれる、大きめの貝ひもだけを厳選し、非常に手間のかかる下処理を行い、余分な添加物を一切使用せずシンプルな調味料のみで味付けされています。
あまり煮込み過ぎると貝ひもが硬くなってしまうためプリプリとした食感を失わない為にも煮る時間は60分以内と決め、仕上げに生姜を入れ完成です。

この「生姜」の代わりに塩飽諸島・手島で栽培されている「幻の唐辛子・香川本鷹」を入れてピリ辛にしたらどうかとひらめいたのは当プロジェクトのボスなんですが、こちらの本島の方々と何か新商品を作りたいという思いを長い間あたためていたのは当プロジェクトのYさんです。

Yさんと本島の方々との出会いは今から半年ほど前にさかのぼり今年の5月中旬、初夏のころ。当プロジェクトの始動をきっかけに「まるがめ歩き」をしていたYさんはこの日、丸亀港からフェリーに乗って本島へ。
目的は「塩飽本島観光案内所でしか売っていないという“タイラギ貝ひもの佃煮”を入手すること」、「国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている笠島を観に行くこと」。

そして到着した本島港。とりあえず港のすぐ横にある塩飽本島観光案内所で“タイラギ貝ひもの佃煮”を買おうと行ったらなんとまさかの定休日(泣)

非常に残念な気持ちではあったがすぐに切り替えレンタサイクルで笠島へ。江戸時代から残されてきた歴史ある建造物に感動し港に戻る。
お腹がすいていたので港にある「しまや」というお店にぶらり立ち寄る。出迎えくれたのはオーナーのM田さんという男性。もともとは大阪で生まれ育ち料理人として日々修行していたが、旅行でこの地を訪れてから本島に魅了され、ついには移住してしまったという都会からのIターン者。本島に来た目的や今日のここまでのストーリーを話しながら「ご当地食材」にこだわった美味しい島の恵みに舌鼓をうつ。
すると「今、漁協の女性部のかたがすぐそこの建物でタイラギ貝ひもを炊いている」との情報をいただいた。そしてM田さんの姿がなくなったかと思ったらなんと!!
作りたてアツアツのタイラギ貝ひもの佃煮のおすそわけを小皿にいれて持ってきてくださったのだ。早速いただいてみるとプリプリの貝ひもに生姜がほのかに効いていてちょうどよい甘辛さ、まさに絶品!!

そのあと佃煮作りの片付けを終えた漁協の女性部の方々もしまやにお昼ごはんを食べに立ち寄りここで初めてYさんに出会う。この時は佃煮をおすそわけしてくださったお礼や軽い世間話を交わしただけだったが、この日からYさんは「この本島の方々と一緒に仕事がしたい!」と強く思い始めたといいます。

振り返ってみればなにげにぶらっと立ち寄ったお店でこのような出逢いが待っていたとは…本当に縁って不思議です。


でもね…でもね…

前回、本島のことを“タイラギがとれる島”と書きましたが、実はここ5年くらい漁獲量が激減しており、現在本島でタイラギ漁をしているかたはわずか3人ほどしかいないのです。

 

タイラギは主に貝柱を食し料亭やお寿司屋さんなどでは最高級食材として扱われ、漁獲量が激減した今日では“瀬戸内産天然タイラギは幻の逸品”と言われているほどのレアな食材なんです。

そしてその貝ひもは市場には出回らず漁師さんたちが自宅でしゃぶしゃぶにしてポン酢でいただくか各家庭で佃煮として消費しているそうです。そもそも貝ひもは下処理に手間がかかる為、大漁だった7~8年前までは自宅で食す以外は廃棄していたほどでした。

 

12月~4月、潜水士の資格を持つ漁師だけが天然タイラギを求めて極寒の冬の海に潜ります。タイラギは貝殻の尖った部分を下にして砂泥に突き刺さった形で生息しているため当然、海底まで潜らねばタイラギには出会えないわけですが、深く潜れば潜るほどリスクが高くなります。海に潜ったあとに周囲圧が下がることによって体の中に窒素の気泡が体内の組織に残ってしまう障害・減圧症や潮の流れ、かつてサメに襲われた同士もいます。50~60kgもある潜水服を着て、船の操縦者と繋がっているのは電話と命綱とエアホースのみ。潜ったあとは減圧タンクに入り高気圧治療を行いその日は湯船にはつかれないそうです。

 

こうした過酷な状況の中、命懸けで獲ってきたタイラギなので「余すとこなく使いたい!」本島で数少ないタイラギ漁をしている芦内家のお母さん、芦内里美さんは漁協の支援と漁協女性部の方々の協力のもと、今まで家庭で作っていた佃煮を更に追求。研究に研究を重ねついに商品化を実現、そしてこれが香川県県産品コンクールで見事優秀賞を受賞。

タイラギ貝ひもの佃煮

tairagi2

こちらは塩飽本島観光案内所と通信販売の2ヶ所のみでの発売。

 

当プロジェクトでは「丸亀の新しいお土産作り」と称し、既存の産業に新たなエッセンスを加え新商品を提案したり、今まで交わることのなかった産業同士のコラボレーションなどを実現させてきました。

 

この“タイラギ貝ひもの佃煮”に新たに“手島の幻の唐辛子・香川本鷹”を加えてピリ辛の佃煮を商品化出来ないかと発案されたのを機に当プロジェクトは動き出します。


タイラギがとれる島・・・本島

    本島とは…

本島(ほんじま)は、香川県丸亀市に属する島。面積6.74平方km、周囲16.4km。塩飽諸島の中心で、四人の年寄が勤番で政務を行った塩飽勤番所、敵襲からの防御を考え細い路地が入り組んだ古い町並みが残るかつての塩飽水軍の本拠「笠島」などが見られる。今も塩飽諸島の中で最も人口が多い。(Wikipediaより)

まず丸亀港から船に乗ります。切符売り場にて時刻表を入手しようとしたらなんとネコが・・・!!

DSC_1184

衝撃の・・・いや・・・極上の癒し画像です。

船は片道一日8~9便。時間によってカーフェリーや高速艇があります。

DSC_1187

船内の客室出入り口にはこのようなアートなプレートが・・・

DSC_1295

丸亀港から20分ほどで本島に到着

DSC_1185

清々しい空気で穏やか・・・とってもいいところです!

DSC_1189DSC_1188

タイラギ貝ひもと香川本鷹の佃煮

「瀬戸内海の穏やかな海にぽっこりと浮かぶ塩飽(しわく)諸島。

その中にある“本島”で獲れた天然タイラギ貝の貝ひもは市場には出回らない貴重品。そこに“手島”でしか栽培されていない幻の唐辛子・香川本鷹を入れ、本島漁協女性部の皆さんが余分な添加物などは一切使わず丹精込めてじっくりと煮込みました。」

入手が難しいレアな食材同士のコラボがついに実現!発売間近!!

商品に至るまでの経緯もこれからブログに綴っていこうと思います。

皆さんお楽しみに(^0^)


商品製作進行中。

商品化が決まった使い切りの分包タイプの香川本鷹七味。
鷹雅堂さんにご相談しながら、商品作りを進めて行きます。

ブレンドは、香川本鷹以外の素材も全て国産素材にこだわります。
それぞれ香りが高く、調和のとれたバランスです。

香川本鷹、白胡麻、山椒、陳皮、青のり、黒胡麻、黒大豆、紫蘇。全て国産素材でブレンド。

香川本鷹、白胡麻、山椒、陳皮、青のり、黒胡麻、黒大豆、紫蘇。全て国産素材でブレンド。

分包包装の内容量は? 何個入りにする? 袋の素材は?
決めることは山積ですが、鷹雅堂さんのアドバイスでひとつひとつ着々と決まって行きます。

同時進行で事務所ではパッケージのデザインを進めて行きます。

スクリーンショット 2013-11-19 15.16.49     スクリーンショット 2013-11-19 15.16.25     

商品作りは中身もさることながら、パッケージが素敵だとなお価値があがります。

みなさんがつい手に取ってみたくなるようなデザイン。
難しい。。。。

(kaorin)

 


『むかし団扇』完成~高級感漂う小割のうちわ~⑨

『むかし団扇』完成いたしました。手にとってみると、とても上品で高級感を感じられるものに仕上がっています。

IMG_4727 IMG_4726 IMG_4725 IMG_4724 DSC_0167 - コピー  DSC_0166 - コピーDSC_0165 - コピー DSC_0164 - コピー DSC_0159 - コピー DSC_0160 - コピー DSC_0161 - コピー DSC_0162 - コピー

 

1本の竹が人の手によって再生される技術、本当に素晴らしいとつくづく感じさせられます。このうちわ竹があった香川県綾川町にある竹林を訪ねてみると、尚更でした。製作者の三谷さんはここにある竹を利用してうちわを作られています。

IMG_4384

画像の印刷も「本当に印刷なのかな?」と思ってしまうくらい、色、線も綺麗に表現され、手間ひまかけた小割の骨に貼られて、雰囲気もバッチリです。

 「むかし団扇ってどんなもの?」

改めて魅力をお伝えするために、次の内容文を商品袋の中に添付いたしました。写真を見るだけでは分かりづらいこともあると思いますので、ぜひ読んでいただければ!!!

IMAG0690

【むかし団扇とは】

明治から昭和初期の石版画で施された団扇絵。丸亀市立資料館に所蔵されています。この絵図と国の伝統的工芸品である丸亀うちわを合わせ、高級感を感じられるものに仕上げました。飾って使っていただくのもおすすめです。

【製作者】

うちわ作りを始めて15年目の三谷順子さん。47工程すべてを一人でこなします。2005年全国伝統的工芸品公募展では生活賞、2010年グッドデザイン賞特別賞の受賞歴もお持ちです。

【形】

楕円形に近い平柄玉子大、丸亀うちわでは初めての型です。骨は小割になっており、70本に裂かれた竹は美しく優しい作りになっています。

【大きさ】

縦28㌢横24㌢、長めの穂は竹がしなり、仰ぐと心地よい風を運んでくれます。

【柄】

緩く弧を描き、持ちやすく、見た目も上品な形に仕上がっています。房や飾り紐を付け、高級感を表現しています。

【和紙】

手漉き風の和紙です。風合いのある色出すため黄味かかった紙を選びました。

【絵図】

80~百年前の絵図が並びます。縁起物として人気の高い福助や鶴、定番人気である佳人の着物姿が艶やかに描かれています。

 

興味を持った方には、ぜひ手にとって見ていただきたいと思います。そういった機会もあると思うので、その時にはフェイスブックや当HPでお知らせしますね。

 

 

皆様と出会えますように…(N)。


むかし団扇試作が完成~本番ではより素晴らしいものができそうです⑧~

「いい骨ができると、貼りも楽で、いい作品になる」と三谷さんは取り組んでおられます。これまで丸亀にはなかった型・大きめの玉子型で穂は小割にされ、骨作りも順調に進み、先日お渡しした紙を貼り付け、団扇絵が貼られた『むかし団扇』の“試作”が完成しました。

やはり絵が印刷された紙を見るだけと、紙質、印刷の雰囲気は違うとはいえ、うちわになってみるととても立派だし、とても趣のあるうちわに仕上がっています。

柄の先には房も付け、高級感もあります。よく見ると、房も2通りつけています。ひとつは飾り紐、ひとつは絹糸で作られた房です。

IMG_4415

出来上がりを見て、ミミの色使い、ヘリの色は、自然な感じにするのか、むかしの高級団扇にあった銀色にするのか、本番でもいろいろ作っていただくことにしました。

今作っているうちわは、実用使いのほかに、飾っても楽しんでもらえるようなちょっと高級感のあるうちわを目指しています。

「ふと手に取って見たくなるような」「やっぱりいいものはいい!」。丸亀うちわの素晴らしさを実感していただけたらと思います。

今回は試作品なので、画像は完成品のお楽しみに。いい色が載り、いい紙を貼った作品でしっかり魅せたいと思います。本紙完成まであと少しです(N)。


小袋入り香川本鷹つくります!

使い切りサイズの巾着入り香川本鷹。
商品化に関して、早速、鷹雅堂・兼本社長にご相談です。

一度は姿を消し、「幻のとうがらし」とまで呼ばれた香川本鷹。兼本社長は、この復活プロジェクトの立役者でもあるのです。私たちの、”もっと多くの方に香川本鷹の素晴らしさを知って欲しい”という思いに多いに賛同して下さりました。
香川本鷹のことから、商品化に際してのアドバイスまで、惜しげなく、丁寧に一から教えて下さります。
何とも心強い味方です。

一回使い切りの分包された香川本鷹を巾着に入れて。

サンプルの巾着を取り寄せ、サイズの決定。デザインは丸亀出身のパッチワーク作家、アオキタカエさんに。アオキさんデザインの丸亀トレカ。かわいい!

サンプルの巾着を取り寄せ、サイズの決定。デザインは丸亀出身のパッチワーク作家、アオキタカエさんに。アオキさんデザインの丸亀トレカ。かわいい!

これは、うどん巡りに良いかもしれない!

 

そして、
鷹雅堂さんの今イチオシの香川本鷹の生七味漬。

国産野菜を使用したパリパリ歯ごたえの生七味漬け。辛さ控えめでクセになる味です。

国産野菜を使用したパリパリ歯ごたえの生七味漬け。辛さ控えめでクセになる味です。

試食してみたら、スタッフ一同、「これ美味しい〜!」
こちらも丸亀百貨店でリパッケージしたものを販売することになりました。

(kaorin)


むかし団扇試作~編みと付け~⑦

「骨作りは一番重要な作業。いい骨ができると貼りも楽でいい作品になる」と三谷さん。

竹を切って、うちわにしていく過程。丁寧に作って下さっています。

骨は小割になって、準備は着々と進んでいます。型紙に合わせるとピッタリです

1本の竹が三谷さんの手によって変化していきますIMAG0612

 

次の段階は紙が貼れるように、釜を通して骨を糸で編んでいく作業です。編台に竹を置き、端に糸を結び付けて編んでいきます。
編み終わったら、付けの作業。
これは、骨に編んだ糸をきれいに並べていき、糸がたぐれないようにしたり、曲線に合わすために微妙な調整をしたりしていきます。ミシンがかかったようにきれいに編み付けることが重要だとか。
特に小割は骨が細いので、2本いっぺんに編んでしまうことも。
これらの作業は一般的にまとめて『編み付け』と言われますが、『編み』『付け』はふたつの違う作業ということを三谷さんは強調されていました。

『編み』は、比較的簡単で子どもでもできる、優しい作業
『付け』は、難しく高度な作業で、職人の技が生かされる。付け士とも言われる。
この地道な作業を終えて完成すると
ついに貼りです。

 

編み付けの作業

写真左が編み、右が付けの工程

 

丸亀城内にあるうちわ工房竹には、毎日のように多くの観光客が訪れます。三谷さんもここで週3回うちわ作りの実演をしています。写真はドイツから来られた方。熱心に見入っていました。IMG_4303


『丸亀天然おいり』 発売開始!

天然おいり①
天然おいり②
天然おいり③
天然おいり④
天然おいり⑤

「着色料入ってるんだ・・・」

初めて「おいり」を見た、日本百貨店・鈴木社長のつぶやきから始まった「天然おいり」企画。

植物由来の天然着色料を使った「丸亀天然おいり」が・・・

ようやく完成しました!

丸亀天然おいり

パッケージも、丸百女性スタッフのこだわりで、こーんな素敵に!

おいりパッケージ1  おいりパッケージ2

丸亀が誇る猪熊画伯の作品が、とってもいいカンジです。

「丸亀天然おいり」

今日から発売開始です。

【販売場所】
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
丸亀城内おみやげショップ
オンラインショップ

丸百BOSS