こんぴらさんと丸亀の、切っても切れない関係
現在の香川県琴平町にある「こんぴらさん」。丸亀市とは約12㌔離れています。江戸時代の移動は当然歩きですから、結構な距離ですよね。
なのになぜ、丸亀でこんぴら参りのお土産が作られていたのかと言うと、丸亀の湊(みなと)がこんぴらさんの門前港だったからなんです。
大坂を出航した「こんぴら船」は、東北・関東・関西方面の客を乗せ、連日朝から夜までひっきりなしに、丸亀に入港していたとか。帆船がひしめき、人が行き交う丸亀湊は、活気に満ちあふれていました。
湊周辺には、茶屋、仕出し屋、うどん屋などが立ち並び、旅人の食欲をそそったことでしょう。帰りの船待ちで足止めを喰らう人も大勢いたはずですから、そこでお土産物を買う・・・容易に想像できる光景ですよね。
このように丸亀は「こんぴら参り」の海の玄関口として栄えた街でした。そこには日本全国から人とモノが集まっていました。いわば丸亀の街は、「こんぴらさん」を通じて日本中と『繋がっていた』と言えるかも知れません。
初代歌川広重作「日本湊尽讃州丸亀」。丸亀港の賑わいが描かれています。丸亀市立資料館所蔵
こんぴらさんの参道。本宮まで785段、長い階段が有名です。