むかし団扇②~むかし団扇絵について~

前回ご紹介した団扇絵。こちらは実際に丸亀市立資料館に所蔵されているものです。これは石版画で刷られているもので、300枚以上あります。うちわ製作にあたり、これらの中から4~5種類の図柄を選ぼうと思っています。

IMG_4250 IMG_4224

この図柄、よ~く見ると右端には小さな穴、左端はまっすぐ切れているのがお分かりですか?これは団扇絵の見本帖だったからです。大きさは約縦横24センチで、和紙いっぱいに絵が施されています。絵の中には、車や水着、電車、楽器などなどが登場します。それらから時代背景を知ることができたり、着物や洋服の絵は、ファッションの流行を知る情報源にもなったり、「醬油」「呉服」「ビール」など、広告媒体としても活用され、お得意さんにカレンダーと一緒に渡していたこともあったようです。

クーラーも扇風機もなかった時代、火おこしなどに使う日常道具として重宝されていたばかりではなく、うちわってこのようにも使われていたんですね。

IMG_4119

10月29日、日本百貨店の青木さん(東京)とポンピン堂の大野さん(埼玉)がお土産開発に関する視察のため、丸亀にお越しになっており、候補の図柄選びを一緒にしていただきました。お二人とも古いこの資料を前に、「昔はいい仕事をしていましたよね」「マットな色合いが素晴らしいですね、今の時代この色を出すのは難しいでしょうね」と熱心に観察したり写真に収めたりしていました。

 同時に昭和20年代のうちわも見せていただきました。色、柄もステキですが、細やかな骨、柄のところも彫刻があったり、細工されていたり、昔の手仕事を感じます。(N)

IMG_4126 IMG_4131IMG_4125  IMG_4124