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『むかし団扇』完成~高級感漂う小割のうちわ~⑨

『むかし団扇』完成いたしました。手にとってみると、とても上品で高級感を感じられるものに仕上がっています。

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1本の竹が人の手によって再生される技術、本当に素晴らしいとつくづく感じさせられます。このうちわ竹があった香川県綾川町にある竹林を訪ねてみると、尚更でした。製作者の三谷さんはここにある竹を利用してうちわを作られています。

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画像の印刷も「本当に印刷なのかな?」と思ってしまうくらい、色、線も綺麗に表現され、手間ひまかけた小割の骨に貼られて、雰囲気もバッチリです。

 「むかし団扇ってどんなもの?」

改めて魅力をお伝えするために、次の内容文を商品袋の中に添付いたしました。写真を見るだけでは分かりづらいこともあると思いますので、ぜひ読んでいただければ!!!

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【むかし団扇とは】

明治から昭和初期の石版画で施された団扇絵。丸亀市立資料館に所蔵されています。この絵図と国の伝統的工芸品である丸亀うちわを合わせ、高級感を感じられるものに仕上げました。飾って使っていただくのもおすすめです。

【製作者】

うちわ作りを始めて15年目の三谷順子さん。47工程すべてを一人でこなします。2005年全国伝統的工芸品公募展では生活賞、2010年グッドデザイン賞特別賞の受賞歴もお持ちです。

【形】

楕円形に近い平柄玉子大、丸亀うちわでは初めての型です。骨は小割になっており、70本に裂かれた竹は美しく優しい作りになっています。

【大きさ】

縦28㌢横24㌢、長めの穂は竹がしなり、仰ぐと心地よい風を運んでくれます。

【柄】

緩く弧を描き、持ちやすく、見た目も上品な形に仕上がっています。房や飾り紐を付け、高級感を表現しています。

【和紙】

手漉き風の和紙です。風合いのある色出すため黄味かかった紙を選びました。

【絵図】

80~百年前の絵図が並びます。縁起物として人気の高い福助や鶴、定番人気である佳人の着物姿が艶やかに描かれています。

 

興味を持った方には、ぜひ手にとって見ていただきたいと思います。そういった機会もあると思うので、その時にはフェイスブックや当HPでお知らせしますね。

 

 

皆様と出会えますように…(N)。


むかし団扇試作が完成~本番ではより素晴らしいものができそうです⑧~

「いい骨ができると、貼りも楽で、いい作品になる」と三谷さんは取り組んでおられます。これまで丸亀にはなかった型・大きめの玉子型で穂は小割にされ、骨作りも順調に進み、先日お渡しした紙を貼り付け、団扇絵が貼られた『むかし団扇』の“試作”が完成しました。

やはり絵が印刷された紙を見るだけと、紙質、印刷の雰囲気は違うとはいえ、うちわになってみるととても立派だし、とても趣のあるうちわに仕上がっています。

柄の先には房も付け、高級感もあります。よく見ると、房も2通りつけています。ひとつは飾り紐、ひとつは絹糸で作られた房です。

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出来上がりを見て、ミミの色使い、ヘリの色は、自然な感じにするのか、むかしの高級団扇にあった銀色にするのか、本番でもいろいろ作っていただくことにしました。

今作っているうちわは、実用使いのほかに、飾っても楽しんでもらえるようなちょっと高級感のあるうちわを目指しています。

「ふと手に取って見たくなるような」「やっぱりいいものはいい!」。丸亀うちわの素晴らしさを実感していただけたらと思います。

今回は試作品なので、画像は完成品のお楽しみに。いい色が載り、いい紙を貼った作品でしっかり魅せたいと思います。本紙完成まであと少しです(N)。


むかし団扇試作~編みと付け~⑦

「骨作りは一番重要な作業。いい骨ができると貼りも楽でいい作品になる」と三谷さん。

竹を切って、うちわにしていく過程。丁寧に作って下さっています。

骨は小割になって、準備は着々と進んでいます。型紙に合わせるとピッタリです

1本の竹が三谷さんの手によって変化していきますIMAG0612

 

次の段階は紙が貼れるように、釜を通して骨を糸で編んでいく作業です。編台に竹を置き、端に糸を結び付けて編んでいきます。
編み終わったら、付けの作業。
これは、骨に編んだ糸をきれいに並べていき、糸がたぐれないようにしたり、曲線に合わすために微妙な調整をしたりしていきます。ミシンがかかったようにきれいに編み付けることが重要だとか。
特に小割は骨が細いので、2本いっぺんに編んでしまうことも。
これらの作業は一般的にまとめて『編み付け』と言われますが、『編み』『付け』はふたつの違う作業ということを三谷さんは強調されていました。

『編み』は、比較的簡単で子どもでもできる、優しい作業
『付け』は、難しく高度な作業で、職人の技が生かされる。付け士とも言われる。
この地道な作業を終えて完成すると
ついに貼りです。

 

編み付けの作業

写真左が編み、右が付けの工程

 

丸亀城内にあるうちわ工房竹には、毎日のように多くの観光客が訪れます。三谷さんもここで週3回うちわ作りの実演をしています。写真はドイツから来られた方。熱心に見入っていました。IMG_4303


むかし団扇⑥~試作準備Ⅲ1本の竹がうちわになっていく~

うちわの大きさ、型も決まり、急ピッチで制作に取りかかってくれています。

三谷さんをお尋ねすると、1本の竹がうちわの形に近づいていました。

作業は長い竹を切るところから始まります。

右:竹の厚み(実)がある。この厚さがないと釜を通すための穴があけられない。 左の竹の幅が2㌢。ここからうちわの形にしていく

右:竹の厚み(実)がある。この厚さがないと釜を通すための穴があけられない。
左の竹の幅が2㌢。ここからうちわの形にしていく

 

2センチ幅の竹が70本に割られている

2センチ幅の竹が70本に割られている

木取巾と言って、持ち手(柄)になる幅は2センチとし、その2センチを35本に道具で縦に裂いていきます。オーソドックスうちわ(中万月)の骨は35本です。

今回は小割なので、35本にしたところで、その1本1本をもう1回割り、骨を70本にしていただきました。単純に裂けばよいものではなく、皮と実、皮と実、よく見るときちんと区別されて割られているのが分かります。

左がかすかにカーブを施している柄。何もしていない右側のものと比べると、良さが分かりやすい

左がかすかにカーブを施している柄。何もしていない右側のものと比べると、良さが分かりやすい

持ち手になる柄も工夫を凝らしてくれていました。少しくびれを作り、高級感を漂わせます。(N)


むかし団扇⑤~試作準備Ⅱうちわ大きさ決定~ 

形…上品な雰囲気のある玉子型、骨…高級感のある小割、大きさ…決まっておらず。

【うちわ大きさ決定】
事務所でコピーして作った60~120%に縮拡大した絵図を早々に三谷さんのところに持参しました。
大きさを検討です。三谷さんも市立資料館に足を運び、昔のうちわを参考に、大きさの型紙を作ってくれていました。
絵が途中で切れてしまわないように、使いやすい大きさは?など、
そんなことを念頭に決めました。
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資料の等倍の大きさである、縦横約24センチで、玉子型に。
型紙の大きさは一番長いところで縦28センチ、横24センチ。絵もギリギリ収まります
これで本格的な竹の準備をしてもらえるように。
第1段階突破かな~。

この玉子型の大きさ、形。まだ丸亀にはない形だそうで。丸亀のものはもうちょっとコンパクトだそうです。
団扇には中万月や大万月、小判など大きさ形によってネーミングがついていますが、このむかし団扇にしようとしている型には名前がなく、「つけてもいいんですよ」と。
「そうなんですね~」。「もしもつけられるなら付けたいなあ」。

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【紙の印刷の仕方】
試作品の貼りの準備のため、等倍で準備していたコピーの絵図の紙をお渡しすると…。
「この印刷の仕方は縦紙ですね、横紙で印刷お願いできますか?」
???

早速準備し直します!!うちわに紙をピンと貼るための工夫だそうです。縦だとゆるみが出るそうです。

上記写真が横にコピーし直したものです。(N)


むかし団扇④~試作準備~

むかし団扇を制作するにあたり、最優先で決めること。それはうちわの骨をどんな大きさで、どのような形にするか。

竹林から切ってきた長い竹からうちわの骨を作っていくんですから、時間がかかりますよね。しかもすべて手作業です。


竹林から切ってきたばかりの竹。もともとは14~5メートルある

先日打ち合わせで決まったことは、形…上品な雰囲気のある玉子型、骨…高級感のある小割

以上2点です。

型は決まったけど、大きさも早く決めなければなりません。

あまり小さなものは風が来ないとのこと。

絵図、紙もまだ決まっておりません。手探り状態です…。

 

「コピーした用紙でいいから、試作で実際に一度貼ってみるのがいいですよ。絵を見るだけと、貼った感じは変わりますからね。試作作ってみましょ」と三谷さん。

 

試作に向けスタートです。

三谷さんは竹を切って骨作りの作業を始めて下さいます。

事務局はコピーで候補の絵図を使って紙作り。

 

市立資料館で資料をカメラに収めた画像をプリントアウトして作ります。絵図の大きさは縦横約24センチ。この大きさの等倍、60、80、110、120%に縮拡大した紙を作ることになりました。

紙はやわらかい方が貼りやすいとのこと、少しでもいいものに近づけたくて、試作の紙にもちょっとだけこだわりました。プリンター対応の和紙で印刷。


試作の絵図作り                        大きさもいろいろに。60%はかなり小さい

どの大きさになるのか…。

これを持って4日後に三谷さんところに伺います。竹がどんな形になっているのか楽しみです(N)


むかし団扇③~うちわ製作はあの職人さんに!~

うちわの町・丸亀だからこそ残されている明治~昭和初期の団扇絵。とても味のある絵柄がそろいます。

その風合いの再現をしたいと進めているのがこの「むかし団扇」企画。交渉の結果、あの職人さんにご協力いただけることになりました。

フリーペーパーVol1でご紹介した、三谷順子さんです。

制作を始めて15年目。’05年全国伝統的工芸品公募展で生活賞、’10年グッドデザイン賞特別賞の受賞歴もお持ちです。今年は、先日終了したばかりの瀬戸内国際芸術祭の公式グッズの1つのうちわを4000本以上制作され、とても多忙でした。すべて手作業ですから、気が遠くなりそうです。

前回の取材で「作っても作ってもおもしろいんです」とうちわ作りへの思いを語って下さった三谷さん。とても勉強家で、熱心にとりくまれ、丁寧な仕事をされます。

仕上がりがとても楽しみです。

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早速『どんな団扇を作っていくか』打ち合わせをしました。歴史のある貴重な資料をもとに作るので「やっぱり雰囲気のあるいいものを作りたいですよね」!!!

オーソドックスな大きさ形のうちわなら、完成まで約2週間という計算でしたが、「いいもの」になるとその倍かかりそうです。商品完成を少しでも早くという気持ちでしたが、末永くご愛好いただける商品を目指して作っていくことにしました。

うちわに関して取材を通してある程度分かっていたつもりですが―。やっぱり分かっていないことだらけです。大きさ、形、紙、いろいろです。

絵柄をめいっぱい使える大きさは?

高級感もあって昔らしい形は?

いいもので貼りやすく、絵柄の色が雰囲気よく出る紙は?

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貼りやすい泉貨紙、

和紙らしい雲流、

上質の奉書など、紙にもいろいろです。

理想は立派な手漉き和紙ですが、印刷の機会にかからないので、残念ながらうちわの貼りにはできません。

他にも全貼りにするか、窓を見せるか(柄の上側でうちわの骨を見せるか)、柄の形など…。

うちわの「いいもの」の代表と言えば、うちわの骨が小割になっているもの。

普通のものより倍あります。見比べると分かりますが、小割のうちわは本当に美しいです。

三谷さんが制作した小割のうちわ

三谷さんが制作した小割のうちわ

形は、上品な雰囲気を持つ玉子型がいいなあ!と。

世界一のうちわの町ですが、手間と時間を要することから、小割を作る方はなかなかいないようです。もちろんお値段も少々高めです。が、手に取ってみると、いいものって惹かれますよね、そういったうちわができたらいいなと思っています。(N)


むかし団扇②~むかし団扇絵について~

前回ご紹介した団扇絵。こちらは実際に丸亀市立資料館に所蔵されているものです。これは石版画で刷られているもので、300枚以上あります。うちわ製作にあたり、これらの中から4~5種類の図柄を選ぼうと思っています。

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この図柄、よ~く見ると右端には小さな穴、左端はまっすぐ切れているのがお分かりですか?これは団扇絵の見本帖だったからです。大きさは約縦横24センチで、和紙いっぱいに絵が施されています。絵の中には、車や水着、電車、楽器などなどが登場します。それらから時代背景を知ることができたり、着物や洋服の絵は、ファッションの流行を知る情報源にもなったり、「醬油」「呉服」「ビール」など、広告媒体としても活用され、お得意さんにカレンダーと一緒に渡していたこともあったようです。

クーラーも扇風機もなかった時代、火おこしなどに使う日常道具として重宝されていたばかりではなく、うちわってこのようにも使われていたんですね。

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10月29日、日本百貨店の青木さん(東京)とポンピン堂の大野さん(埼玉)がお土産開発に関する視察のため、丸亀にお越しになっており、候補の図柄選びを一緒にしていただきました。お二人とも古いこの資料を前に、「昔はいい仕事をしていましたよね」「マットな色合いが素晴らしいですね、今の時代この色を出すのは難しいでしょうね」と熱心に観察したり写真に収めたりしていました。

 同時に昭和20年代のうちわも見せていただきました。色、柄もステキですが、細やかな骨、柄のところも彫刻があったり、細工されていたり、昔の手仕事を感じます。(N)

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むかし団扇①~明治時代の団扇を復刻?むかし団扇絵のうちわをお土産品に~

「お城の町の甘いもん」「おいり」「香川本鷹」など、お土産品開発に日々取り組んでいるところです。丸亀のいいもの探しから始まり、いろんなものに出会う機会をたくさんもらいました。そんな中で、7月に発行したフリーペーパーvol.1裏表紙でご紹介した「むかし団扇絵」。これもそのひとつです。

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いろんなうちわを目にしていますが、今の時代には、なかなか珍しい絵柄に思えます。繊細なタッチと優しい色合い、何よりも懐かしさを感じるような。丸亀市立資料館が所蔵している、明治~昭和初期のうちわの絵図です。

「丸亀が誇るうちわ作りの技術」「うちわの町だからこそ残っている貴重な資料」「歴史を感じるいいもの」・・・。

やっぱり丸亀にはうちわは欠かせない!この絵柄を使ってうちわを制作してみては!!!

1本の竹で作られている丸亀うちわは本当に素敵で、そこにこの美しく懐かしい絵柄を施してみると…。使うのがもったいないようなうちわにできあがるかも。

その前に、制作者、資料の画像のいただき方、竹や形、紙、印刷、仕上がりイメージ…。決めないといけないことが盛りだくさんです。みなさまにあっ!と思ってもらえるような、「さすが丸亀」を誇れるようなうちわにしたいと思っています(N)。

次回は、むかしうちわ絵についてアップします。