カテゴリー別アーカイブ: お土産開発について

むかし団扇⑥~試作準備Ⅲ1本の竹がうちわになっていく~

うちわの大きさ、型も決まり、急ピッチで制作に取りかかってくれています。

三谷さんをお尋ねすると、1本の竹がうちわの形に近づいていました。

作業は長い竹を切るところから始まります。

右:竹の厚み(実)がある。この厚さがないと釜を通すための穴があけられない。 左の竹の幅が2㌢。ここからうちわの形にしていく

右:竹の厚み(実)がある。この厚さがないと釜を通すための穴があけられない。
左の竹の幅が2㌢。ここからうちわの形にしていく

 

2センチ幅の竹が70本に割られている

2センチ幅の竹が70本に割られている

木取巾と言って、持ち手(柄)になる幅は2センチとし、その2センチを35本に道具で縦に裂いていきます。オーソドックスうちわ(中万月)の骨は35本です。

今回は小割なので、35本にしたところで、その1本1本をもう1回割り、骨を70本にしていただきました。単純に裂けばよいものではなく、皮と実、皮と実、よく見るときちんと区別されて割られているのが分かります。

左がかすかにカーブを施している柄。何もしていない右側のものと比べると、良さが分かりやすい

左がかすかにカーブを施している柄。何もしていない右側のものと比べると、良さが分かりやすい

持ち手になる柄も工夫を凝らしてくれていました。少しくびれを作り、高級感を漂わせます。(N)


香川本鷹をおみやげにしたい ②

日本のトウガラシには「三鷹」「八房」「鷹の爪」などの品種があり、世界のトウガラシの中でも最も品質が良いとされていますが、「香川本鷹」はその中でも最高品質と言われています。

 

香川本鷹は、他のトウガラシと比べると、まずその大きさに驚きます。

さやの大きさ約5センチ。通常のトウガラシの約3倍の大きさです。

さやの大きさ約5センチ。通常のトウガラシの約3倍の大きさです。

そして、鮮やかな濃い赤。

鮮やかな赤!収穫後、色・大きさなどを基準に選別。

鮮やかな赤!収穫後、色・大きさなどを基準に選別。

 

肝心の辛さは・・・
味わい深い辛みで、旨味さえ感じられます。
香りも高く、さすが、国内トウガラシの最高峰!

 

この丸亀が誇る「香川本鷹」をもっと多くの方に知ってもらいたい。のですが・・・

残念ながら、トウガラシ自体のの国内自給率はたったの3%。あとの97パーセントは輸入品です。価格的には国産は輸入品の約3倍。

流通量が少なく、そして、高い。
なかなか、その良さが知れ渡り、幅広く使ってもらえている状況ではないのが現状なのです。

香川本鷹を丸亀百貨店のおみやげとして商品化してみたい!
ですが、現状からなかなかハードルは高そう。
という話を、ある日、日本百貨店の鈴木社長と雑談していたら・・・

「じゃ、サンプル品みたいな使い切りの小袋包装したのを、可愛い巾着に入れてみたら?」

というアイデアが。

思いもよらなかった小袋包装。国産トウガラシが高価なのであれば内容量を減らせば良いのです。
そして、オリジナルデザインの巾着に入れて販売。巾着入りのトウガラシ、見た事ない!

これは面白いし、実際、欲しい!
やってみたい。是非!

と、小袋入り香川本鷹の企画がスタートしました。

 

(kaorin)


むかし団扇⑤~試作準備Ⅱうちわ大きさ決定~ 

形…上品な雰囲気のある玉子型、骨…高級感のある小割、大きさ…決まっておらず。

【うちわ大きさ決定】
事務所でコピーして作った60~120%に縮拡大した絵図を早々に三谷さんのところに持参しました。
大きさを検討です。三谷さんも市立資料館に足を運び、昔のうちわを参考に、大きさの型紙を作ってくれていました。
絵が途中で切れてしまわないように、使いやすい大きさは?など、
そんなことを念頭に決めました。
DSC_0095

資料の等倍の大きさである、縦横約24センチで、玉子型に。
型紙の大きさは一番長いところで縦28センチ、横24センチ。絵もギリギリ収まります
これで本格的な竹の準備をしてもらえるように。
第1段階突破かな~。

この玉子型の大きさ、形。まだ丸亀にはない形だそうで。丸亀のものはもうちょっとコンパクトだそうです。
団扇には中万月や大万月、小判など大きさ形によってネーミングがついていますが、このむかし団扇にしようとしている型には名前がなく、「つけてもいいんですよ」と。
「そうなんですね~」。「もしもつけられるなら付けたいなあ」。

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【紙の印刷の仕方】
試作品の貼りの準備のため、等倍で準備していたコピーの絵図の紙をお渡しすると…。
「この印刷の仕方は縦紙ですね、横紙で印刷お願いできますか?」
???

早速準備し直します!!うちわに紙をピンと貼るための工夫だそうです。縦だとゆるみが出るそうです。

上記写真が横にコピーし直したものです。(N)


むかし団扇④~試作準備~

むかし団扇を制作するにあたり、最優先で決めること。それはうちわの骨をどんな大きさで、どのような形にするか。

竹林から切ってきた長い竹からうちわの骨を作っていくんですから、時間がかかりますよね。しかもすべて手作業です。


竹林から切ってきたばかりの竹。もともとは14~5メートルある

先日打ち合わせで決まったことは、形…上品な雰囲気のある玉子型、骨…高級感のある小割

以上2点です。

型は決まったけど、大きさも早く決めなければなりません。

あまり小さなものは風が来ないとのこと。

絵図、紙もまだ決まっておりません。手探り状態です…。

 

「コピーした用紙でいいから、試作で実際に一度貼ってみるのがいいですよ。絵を見るだけと、貼った感じは変わりますからね。試作作ってみましょ」と三谷さん。

 

試作に向けスタートです。

三谷さんは竹を切って骨作りの作業を始めて下さいます。

事務局はコピーで候補の絵図を使って紙作り。

 

市立資料館で資料をカメラに収めた画像をプリントアウトして作ります。絵図の大きさは縦横約24センチ。この大きさの等倍、60、80、110、120%に縮拡大した紙を作ることになりました。

紙はやわらかい方が貼りやすいとのこと、少しでもいいものに近づけたくて、試作の紙にもちょっとだけこだわりました。プリンター対応の和紙で印刷。


試作の絵図作り                        大きさもいろいろに。60%はかなり小さい

どの大きさになるのか…。

これを持って4日後に三谷さんところに伺います。竹がどんな形になっているのか楽しみです(N)


『天然おいり⑤』 完成ま・ぢ・か!

思いつきで始まった天然おいり企画。

天然おいり①
天然おいり②
天然おいり③
天然おいり④

試作品の出来もよく、あとは最後の難題を残すのみとなりました。
それは・・・

『値決め』。

そう、売る値段を決めなくてはいけません。

ところが今回の天然おいり、合成着色料ではなく天然着色料を使っているので材料費がめっちゃ高い!
詳細は省きますが・・・・あれこれ試行錯誤した結果、最も高価な「青系」の色は使わずにいこう!ということになりました。白・ピンク・黄色・緑の4色です。

値段も・・・・則包社長のご協力もあって、なんとか希望価格に収まりそうです。

 

んで、先日いよいよ本番の色付け作業を行いました。

色づけをする社長と奥様 色づけの後の乾燥工程 こちらはピンクです。

 

4色を別々に色付けして、最後に混ぜまぜ。

まぜまぜ

 

出来上がりました!

丸亀天然おいり!

 

則包商店さんの従業員の皆さんにも見てもらいましたが、「ぜんぜん違う~」と全員が口を揃える色合いとなりました。従来のおいりと比べると、その違いが一目瞭然です。

こっちが従来のおいり。

従来のおいり

 

んで、こっちが今回の天然おいり。

丸亀天然おいり

 

並べてみると、さらに違いがよく分かります。

左が天然 右が従来品

 

試作時より緑が濃いめになりましたが、
とっても優しい、自然な色合いだと思いませんか??

素材の味わいを楽しんでもらうため、ニッキも入れないことにしました。

早ければ、今月中にも販売開始です。乞うご期待!

 

丸BOSS


むかし団扇③~うちわ製作はあの職人さんに!~

うちわの町・丸亀だからこそ残されている明治~昭和初期の団扇絵。とても味のある絵柄がそろいます。

その風合いの再現をしたいと進めているのがこの「むかし団扇」企画。交渉の結果、あの職人さんにご協力いただけることになりました。

フリーペーパーVol1でご紹介した、三谷順子さんです。

制作を始めて15年目。’05年全国伝統的工芸品公募展で生活賞、’10年グッドデザイン賞特別賞の受賞歴もお持ちです。今年は、先日終了したばかりの瀬戸内国際芸術祭の公式グッズの1つのうちわを4000本以上制作され、とても多忙でした。すべて手作業ですから、気が遠くなりそうです。

前回の取材で「作っても作ってもおもしろいんです」とうちわ作りへの思いを語って下さった三谷さん。とても勉強家で、熱心にとりくまれ、丁寧な仕事をされます。

仕上がりがとても楽しみです。

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早速『どんな団扇を作っていくか』打ち合わせをしました。歴史のある貴重な資料をもとに作るので「やっぱり雰囲気のあるいいものを作りたいですよね」!!!

オーソドックスな大きさ形のうちわなら、完成まで約2週間という計算でしたが、「いいもの」になるとその倍かかりそうです。商品完成を少しでも早くという気持ちでしたが、末永くご愛好いただける商品を目指して作っていくことにしました。

うちわに関して取材を通してある程度分かっていたつもりですが―。やっぱり分かっていないことだらけです。大きさ、形、紙、いろいろです。

絵柄をめいっぱい使える大きさは?

高級感もあって昔らしい形は?

いいもので貼りやすく、絵柄の色が雰囲気よく出る紙は?

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貼りやすい泉貨紙、

和紙らしい雲流、

上質の奉書など、紙にもいろいろです。

理想は立派な手漉き和紙ですが、印刷の機会にかからないので、残念ながらうちわの貼りにはできません。

他にも全貼りにするか、窓を見せるか(柄の上側でうちわの骨を見せるか)、柄の形など…。

うちわの「いいもの」の代表と言えば、うちわの骨が小割になっているもの。

普通のものより倍あります。見比べると分かりますが、小割のうちわは本当に美しいです。

三谷さんが制作した小割のうちわ

三谷さんが制作した小割のうちわ

形は、上品な雰囲気を持つ玉子型がいいなあ!と。

世界一のうちわの町ですが、手間と時間を要することから、小割を作る方はなかなかいないようです。もちろんお値段も少々高めです。が、手に取ってみると、いいものって惹かれますよね、そういったうちわができたらいいなと思っています。(N)


むかし団扇②~むかし団扇絵について~

前回ご紹介した団扇絵。こちらは実際に丸亀市立資料館に所蔵されているものです。これは石版画で刷られているもので、300枚以上あります。うちわ製作にあたり、これらの中から4~5種類の図柄を選ぼうと思っています。

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この図柄、よ~く見ると右端には小さな穴、左端はまっすぐ切れているのがお分かりですか?これは団扇絵の見本帖だったからです。大きさは約縦横24センチで、和紙いっぱいに絵が施されています。絵の中には、車や水着、電車、楽器などなどが登場します。それらから時代背景を知ることができたり、着物や洋服の絵は、ファッションの流行を知る情報源にもなったり、「醬油」「呉服」「ビール」など、広告媒体としても活用され、お得意さんにカレンダーと一緒に渡していたこともあったようです。

クーラーも扇風機もなかった時代、火おこしなどに使う日常道具として重宝されていたばかりではなく、うちわってこのようにも使われていたんですね。

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10月29日、日本百貨店の青木さん(東京)とポンピン堂の大野さん(埼玉)がお土産開発に関する視察のため、丸亀にお越しになっており、候補の図柄選びを一緒にしていただきました。お二人とも古いこの資料を前に、「昔はいい仕事をしていましたよね」「マットな色合いが素晴らしいですね、今の時代この色を出すのは難しいでしょうね」と熱心に観察したり写真に収めたりしていました。

 同時に昭和20年代のうちわも見せていただきました。色、柄もステキですが、細やかな骨、柄のところも彫刻があったり、細工されていたり、昔の手仕事を感じます。(N)

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『天然おいり④』試作品できました!

 

合成着色料なしのおいりがあるといいよね!

という、完全なる思いつきで始まった「丸亀天然おいり」企画。

いよいよ、その試作品ができました。 こちらです!

 

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ちょっとだけ色が淡いですが、これはこれでカワイイのではないでしょうか。

少々色にバラつきがあるのも、天然っぽくて逆にイイ! と思います。

そして肝心の味は・・・・

 

おいしい!

 

いや、これはホントに美味しいですよ!

味がまあるいというか、優しいというか、普通のおいりと何が違うんだと聞かれると説明に困りますが、

確実においしいです。 (゚д゚)ウマー

 

ここまで来ると、もう完成したも同然?

いやいや、まだクリアすべき課題があるのです。。。。

 

丸百BOSS

 


むかし団扇①~明治時代の団扇を復刻?むかし団扇絵のうちわをお土産品に~

「お城の町の甘いもん」「おいり」「香川本鷹」など、お土産品開発に日々取り組んでいるところです。丸亀のいいもの探しから始まり、いろんなものに出会う機会をたくさんもらいました。そんな中で、7月に発行したフリーペーパーvol.1裏表紙でご紹介した「むかし団扇絵」。これもそのひとつです。

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いろんなうちわを目にしていますが、今の時代には、なかなか珍しい絵柄に思えます。繊細なタッチと優しい色合い、何よりも懐かしさを感じるような。丸亀市立資料館が所蔵している、明治~昭和初期のうちわの絵図です。

「丸亀が誇るうちわ作りの技術」「うちわの町だからこそ残っている貴重な資料」「歴史を感じるいいもの」・・・。

やっぱり丸亀にはうちわは欠かせない!この絵柄を使ってうちわを制作してみては!!!

1本の竹で作られている丸亀うちわは本当に素敵で、そこにこの美しく懐かしい絵柄を施してみると…。使うのがもったいないようなうちわにできあがるかも。

その前に、制作者、資料の画像のいただき方、竹や形、紙、印刷、仕上がりイメージ…。決めないといけないことが盛りだくさんです。みなさまにあっ!と思ってもらえるような、「さすが丸亀」を誇れるようなうちわにしたいと思っています(N)。

次回は、むかしうちわ絵についてアップします。


香川本鷹をお土産にしたい ①

丸亀市は海の沖、塩飽諸島。

今現在、瀬戸内国際芸術祭・秋大会で盛り上がっている「本島」も

塩飽諸島のひとつ。

その島々のひとつ「手島」では、幻の唐辛子「本鷹」を生産している。

 

本鷹・・・香川本鷹とは、豊臣秀吉の時代手柄のあった塩飽水軍に褒美として

賜れてから塩飽諸島で栽培が始まり、時は流れ1970年代にはピクルス用として欧州に、

キムチ用として韓国に輸出する等最盛期を迎えたが、

価格の問題で次第に消費が移り変わり、今現在生産農家は1軒のみという

幻の唐辛子となってしまった。

 

そのような状況下、香川本鷹を製品化しているメーカーさんに協力してもらい、

丸亀市の新たなるお土産のラインナップにしようじゃないか、と、動き出しております。

早速、鷹雅堂さんへと連絡を取ると、サンプルを送ってくださいました。

 

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香川本鷹を使った商品の数々。

 

さて、香川本鷹がどのようなお土産として皆さんの目の前に現れるのか。

乞うご期待のまま次回へつづく。(ぜんさん)